用語集 - 調節計

用語集 - 調節計

温度制御の概要

温度制御

温度制御は目標値を入力し目標値に対して動作をさせますが、制御対象の特性によりすぐに安定させる事はできません。一般的に早く目標値に到達させる制御をしようとすると現在温度が目標値を行過ぎるオーバーシュートや温度が上下に動くハンチングが発生し、ハンチングをなくそうとする為に遅く目標値に達する方法を選択せざるを得ません。
装置などの用途により、オーバーシュートが発生しても早く目標値に達して安定した制御を求める場合や安定するまでの時間が掛かってもオーバーシュートを抑制して目標値に達し安定した制御を求める場合があります。
温度制御は用途・目的により異なっています。

温度制御の概要

ON/OFF動作

加熱制御(逆動作)では現在温度が目標(設置)温度より低いときは出力を「ON」しヒータに通電します。 反対に目標(設定)温度より高いときは出力を「OFF」してヒータの通電を切ります。 このように、目標(設定)温度を境に「ON」・「OFF」を繰り返し、温度を一定に保つ制御方式を「ON/OFF制御」といいます。又、目標(設定)温度を境にして出力量を0%と100%の2つの値で動作するので、2位置制御ともいいます。

ON/OFF動作

P動作

入力に比例する大きさの出力を出す制御動作です。目標(設置)温度に対して一定の幅(比例帯)をもち、その中で操作量(制御出力量)が偏差に比例する動作をP動作(比例動作)といいます。 加熱制御(逆動作)では現在温度が比例帯より低い場合は操作量100%、比例帯の中に入れば操作量は偏差に比例して徐々に小さくなり、目標(設置)温度と現在温度が一致(偏差無)すると操作量は0%になります。ON/OFF制御と比較してハンチングの小さな制御ができます。

P動作

*目標値 300℃、比例帯 20℃の場合、280℃まで操作量100%で280℃を超え比例帯に入ると一定時間間隔(比例周期)でON/OFFを繰り返し目標値へ近づけます。

P動作

I動作

入力の時間積分値に比例する大きさの出力を出す制御動作です。比例動作ではオフセットが発生してしまいます。そこで比例動作に積分動作を組み合わせて使用する事により時間経過するに従い、オフセットが無くなり目標温度と制御温度が一致するようになります。

I動作

D動作

入力の時間微分値に比例する大きさの出力を出す制御動作です。比例動作や積分動作は制御結果に対する修正動作により急激な温度変化に対して応答が遅くなります。微分動作はその欠点を補う動作です。
温度変化の傾斜に比例した操作量を追加して修正動作を行います。急激な外乱に対して大きな操作量を加える事により早くもとの制御状態に戻すようにする動作です。

D動作

PID制御

PID制御は比例動作・積分動作・微分動作を組み合わせた制御方式です。
★比例動作(P):ハンチングのない滑らかな制御
★積分動作(I):オフセットの修正
★微分動作(D):外乱に対する応答を早くする

PID制御

2自由度PID制御

PID制御では、同一の調節器によって設定値に対する応答と外乱に対する応答を制御していました。よって、調節器のPIDパラメータ設定において
 1)外乱応答を重視(P・Iを小さくしDを大きく設定)するとオーバーシュートがでる
 2)設定値応答を重視(P・Iを大きく設定)すると外乱応答が遅くなる

という結果となり、両方の応答性を同時に満足する事ができないという欠点がありました。
この欠点を取り除くため、2自由度PID制御方式を採用する事により、PIDの利点を残したままで設定値応答と外乱応答の両方を同時に対応する事ができるようになりました。

当社製品のPID制御

当社製品のPIC制御

位置比例制御

PID制御で求められた操作量をバルブモータストローク時間によりバルブに開信号または閉信号を出力しバルブ開度を変化させ流量を調節し対象の温度を制御します。
フィードバッグ抵抗無しで制御が可能です。バルブモータストローク時間とはバルブが全閉から全開に成るまでの時間を言います。

位置比例制御
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制御に関する用語の説明

調節感度

ON/OFF制御では目標温度(設定値)でON/OFFをするので少しの温度変化によって出力が頻繁に変化します。これにより、出力リレーの寿命が短くなったり、接続先の装置に悪影響を及ぼす可能性があります。これを防ぐために、ON・OFFの動作に隙間(ヒステリシス)を設けています。この動作隙間を「調節感度」といいます。

調節感度

オフセット

比例動作では制御対象の熱容量・ヒータ容量により安定状態になっても、目標温度(設定値)に対して一定の差が生じます。この差を「オフセット(=偏差)」といいます。

オフセット

ハンチングとオーバーシュート

ON/OFF動作時にはよく下図のような波形動作が発生します。動作開始後目標温度(設定値)に達した後、目標温度(設定値)を超える現象を「オーバーシュート(アンダーシュート)」といいます。又、目標温度(設定値)を挟んで温度が上下する現象を「ハンチング」といいます。この両方の現象が小さいほどより良い制御といえます。

ハンチングとオーバーシュート

制御(比例)周期と時分割比例制御

P動作(比例動作)にてリレー接点出力・SSR駆動電圧出力を使用し制御する場合、その操作量の出力する時間を予め設定し、その設定した時間周期に従い、一定時間ONし、残りの時間をOFFし、この動作を繰り返しながら制御を行います。予め設定された時間周期を「制御(比例)周期」といい、この様な動作方法を時分割比例動作といいます。

制御(比例)周期と時分割比例制御

微分時間

下図のようにランプ状の偏差に対し、微分の操作量が比例動作と同じ操作量に達するまでの時間を微分時間といいます。微分時間が長いほど微分動作による修正が強い事になります。

微分時間

積分時間

下図のようにステップ状の偏差に対して、積分の操作量が比例動作と同じ操作量に達するまでの時間を積分時間といいます。積分時間が短いほど積分動作は強くなります。積分時間を短くしすぎると訂正動作が強すぎてハンチング動作を発生する原因にもなります。

積分時間

定置制御とプログラム制御

定置制御:常時決まった温度での制御方式
プログラム制御:あらかじめ設定された変化を目標値にして追従させる制御方式

チューニングの種類

オートチューニング:
温度制御を行なうPID定数は制御対象の特性(負荷容量・制御対象物・設定温度等)により異なります。このPID定数を実際に制御しているときの温度変化から、いろいろな制御対象でもより適切な制御を行なうPID定数を算出する方法をオートチューニングといいます。オートチューニングの代表的な手法としまして、「ステップ応答法」、「限界感度法」、「リミットサイクル法」があります。

ステップ応答法
リミットサイクル法
PID定数の再調整
積分時間(Ⅰ)を変化させた時の応答

セルフチューニング:
オートチューニングはチューニングの開始を指示しPID定数を算出しますが、セルフチューニングは制御対象に適したPID定数を自動的に算出します。
1)チューニングを行なう判断は温調器自身がする
2)温度を乱す信号は出さない

セルフチューニング
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警報に関する用語の説明

警報動作

温度調節器が現在温度を予め決められた値(警報設定値)と比較して、指定した動作方法(動作種類)にしたがって信号出力と表示を行います。

警報種類

*偏差警報
警報設定値の設定方法で、制御設定値を中心として、設定値からの偏差(差)の値を警報設定値とします。

警報種類

*絶対値警報
警報設定値の設定方法で、制御設定値に関係なく警報動作を行う温度を警報設定値とします。

絶対値警報

*待機シーケンス付警報
温度制御開始時など、現在温度が初めから警報動作の領域(範囲)に含まれている時があります。
この場合、電源投入と同時に警報が出力されてしまう事になります。これを避ける為に、待機シーケンス付機能を選定する事により、電源投入後、現在温度が一度設定された警報範囲外(警報が出力されない温度)になった事を確認し、その後警報範囲内に入った時警報が出力されます。

待機シーケンス付警報
待機シーケンス付警報

*警報保持機能
警報動作は基本的には現在温度が設定警報範囲外になると警報出力は出なくなります。
警報保持機能を使用しますと、一旦警報領域(範囲)に入ると、電源をOFFするまで警報出力を保持(ONのまま)します。

警報保持機能

ヒータ断線警報

制御対象の温度を上昇させるためにヒータを使用します。ヒータの断線により電力供給がなくなった場合、温度調節器でヒータ断線を検出し警報を出力します。検出には電流検出器(CT)を使用してヒータに流れる電流を検出し断線かどうかの判断をします。

ヒータ断線警報
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出力に関する用語の説明

逆動作(加熱)

設定値より温度が低い場合、操作量を増やす動作

逆動作(加熱)

正動作(冷却)

設定値より温度が高い場合、操作量を増やす動作

正動作(冷却)

加熱冷却制御

制御対象の温度制御が加熱(冷却)のみでは制御が難しい場合、冷却(加熱)と組み合わせて制御を行なう場合があります。
1台の温度調節器から加熱用制御出力と冷却用制御出力を出し制御をします。

加熱冷却制御

操作量(MV)リミッタ

「操作量リミッタ上限値(MLH)」及び「操作量リミッタ下限値(MLL)」で操作量(MV)リミッタの上下限値を設定します。温度調節器が算出した操作量が、操作リミッタ範囲外になった時、実際の出力量は上限値又は下限値になります。

操作量(MV)リミッタ

加熱冷却制御では、冷却側の操作量を便宜上負の値としているので、一般的に下図の様に、上限値は加熱側(正の値)、下限値は冷却側(負の値)に設定します。

操作量(MV)リミッタ

操作量変化リミッタ

1秒間当たりの操作量の変化量を設定します。温度調節器が算出した操作量が大きく変化した時、実際の出力は操作量変化リミッタの設定内容に従って徐々に算出値に近づきます。

操作量変化リミッタ

デッドハンド

冷却出力の場合デッドバンドを設定します。
副制御の比例帯(又は感度)が動きます。

デッドハンド

伝送出力

伝送出力は測定値(PV)、設定値(SV)、主制御操作量(MV1)、副制御操作量(MV2)の状態を電圧/電流信号(ご注文時型式にて指定)で出力する機能です。また、正逆動作を設定する事で電圧/電流信号を正/逆転できます。

伝送出力
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